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無職を機にちゃんとブログを書くなどしてみる日々のこと

オペラ『タンホイザー』鑑賞しました

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推しがオペラ歌手なので

このブログでは度々申し上げていますが、2021年秋のディズニーオンクラシックで衝撃を受け、それ以来激推ししている菅原洋平さんですが、二期会所属のオペラ歌手なので、ディズニーオンクラシック以外の公演となるとオペラを鑑賞することになるよ。昨年11月の『午後の曳航』に引き続き、二度目のオペラ本公演鑑賞です。⇩前回のご様子

タンホイザー

リヒャルトワーグナー作のオペラです。今から約200年前に作られたもの…!!ワーグナーさん、とっても有名だと思うけれどクラシックや歴史に疎いためどんな方かやどんな作品があるか全然分かっていなかった…勉強せねばと思い、事前にAppleMusicでタンホイザー中心に色々聴いたり、あらすじを調べたり。公演後には気になったことを調べたりなどしたよ。インターネット詳しい解説色々あって便利。あとパンフレットを購入したのですが時代背景や版の違い("ドレスデン版"や"パリ版")が解説されていて勉強になりました。

公演の感想

そんなふわふわした野郎なので公演の感想もまだまだ赤ちゃんだけど、つらつらと書いていくよ!

"Overture"がとっっても綺麗で、その間ずっと舞台装置の網状の筒がくるくる回っていたので(映像かと思ってたけど本物が回っていたのかな?私の席と視力ではよくわからなかった)、網状の筒のインパクトが最初から物凄い。

第一幕、ヴェーヌスベルクのシーン、絵画かと思ったら人が動き出すところとても驚いた!遠くから見てると本当に絵画にしか見えなかったので。ダンサーさんたちと椅子との動きがすごくて妖しい雰囲気とタンホイザーの葛藤とが描かれていてこの時点ですごく豪華でした。ヴェーヌスベルクを逃れて、巡礼者たちと出会うシーンは遠くから合唱がどんどん近づいてきて圧倒されました。合唱美しすぎるし、あの人数でこんなに綺麗な歌声聴ける贅沢感がすごかった。終わりがけ、菅原さんビーテロルフも登場です!銃と赤いチェックのお召し物でとっても素敵でした。鹿を担ぎ上げているところかっこよすぎてちょっと笑ってしまった。絵画だったところにすっかりおさまって本当の意味で絵になっていた。

第二幕、歌合戦からのシーンは本当に圧巻!先程とは違う椅子の演出と小姓なども加わりつつの圧倒的人数。菅原ビーテロルフのソロ"Heraus Zum Kampfe Mit Uns Allen"、血気盛んで勇ましいカッコ良さが声にも現れててめちゃくちゃ良かったです。前髪もちょろりと乱れていた…!それまでの流れでタンホイザーがヴェーヌスを幻に見てる感じも表現されていて(ということだと思う)、タンホイザーが秘密を暴露してしまうまでの流れがとても盛り上がる仕組みになっていて、パンフレットを見て、歌が一部削除された版でなくて良かったなぁと思いました。そこから舞台の上手手前側にタンホイザーがいて、そこから斜めに道ができていてエリーザベトがいて…のような構図の時が美しすぎた!なかなか言葉で表すのが難しい。剣を振りかざすもエリーザベトに諌められて跪くビーテロルフ良きでした。ビーテロルフに注目して見ていたから余計にそう思うだけなのかもしれないけれど、主要キャストとはいえタンホイザーエリーザベトヴォルフラムに比べて出演場面が少ないはずなのに個性がとても伝わってきて菅原さんの演技の賜物だなぁと感じました。とにかくビーテロルフはかっこよかった〜!

第三幕、なんといっても"夕星の歌"(ここだけ表記揺れで申し訳ないけど日本語で)!過去に菅原さんが歌われていて馴染み深い曲とすら感じている。ヴォルフラムは午後の曳航でも共演されていた友清崇さん。非常に素敵でした。ヴォルフラム、少女漫画頻出の当て馬っぽい。第三者からすると『ヴォルフラムにしておけば良いのに…』でしかないけれどそうはいかないのが物語あるある。物語あるあるこんなに昔からあったんだね!そしてパンフレットで解説されていた"変化する人物と変化しない人物"がとても分かりやすかった。ラストシーンは圧巻すぎる、エリーザベト天使になってしまったのねと思った。教皇の出演は丸々無しでタンホイザーの語りだけだったけれど特に問題は無いと思った、しかし網状の筒がラストシーンで「芽吹いた杖(=教皇が赦した証)を象徴」は流石に何の知識無しで分かるものではないので、大前提としてあらすじを頭に入れておかないと細部まで読み取れないであろうし、分からないことだらけなんだろうなぁと感じた。

休憩含め約4時間だったけれど、一つひとつの演出が丁寧で壮大、豪華で時間の経過は思ったよりとても速く感じてあっという間でした。あんなに大人数の合唱を聴けることはなかなか無いので贅沢な思いをしました。生のオーケストラで、最高の歌とダンスを堪能できて、それを考えるとチケット代が激安に感じる。今後の人生でまたタンホイザーを観ることになったとしても、衣装や舞台装置、演出が全然違うとなると、きっとまた楽しめるんだろうなぁと思える。そしていつか菅原ヴォルフラムも観てみたいです!

キリスト教の知識があった方が深く楽しめると思われるシーンがしばしば。戒律、厳しい!鑑賞時にはタンホイザーのクズさに憤怒していたけど、よくよく考えると現代ではタンホイザーみたいな輩がよくいらっしゃるかも。快楽として限定して考えると理解できない部分はあるけれど、私も大好きなチョコレートを禁じられていたらタンホイザーになってしまうかも…、チョコレートを求めて旅に出てしまう。逆にエリーザベトなど現代にはいないし一番理解し難いかもしれないなと思ってしまった。愛する男に赦しを与えようと動くことすらなかなかできないし、それを尊く思うのも果たして正解なのか分からない気持ちにもなる〜!時代と共に価値観も変わるし、キリスト教徒でもないので共感の物語ではないはずだけれど、決して共感はゼロではないところも面白かった。

余談:諸々の購入

今回も余談を。

その1:予習をしよう

前回、『午後の曳航』鑑賞時に、原作小説は読んだものの音楽を聴いていかなかったために初見での情報量が多すぎたことから推しの姿に一点集中!ができなかったというか、してしまうと他を取りこぼしてしまうな…と感じたことから、今回は一通り音楽を聴いてから臨もう!と決意。AppleMusicClassicalのお陰なのか通常の範疇なのか、タンホイザーの音楽が無限に出てきたので色々聴きました。がしかし如何せん全部で3時間超あるので、"Overture"と"Heraus Zum Kampfe Mit Uns Allen"を中心に聴くことが多く、短期間で全部をさらうことは難しかったので、ここはもう少し長期間取り組む必要があったなと反省。

その2:チケットを取ろう

今回もお世話になりました、U-39当日引換券!前回かなり良い席だったので今回もチャレンジ。前回よりも△の表示になるのがかなり早かったことから、後ろの方になるだろうとの推測はしていたものの、蓋を開けてみたら1階23列目と、S席の範疇。段差があって全体が見渡しやすいし、大満足でした。一般S席のほぼ半額で観られるので無職には本当に有り難いです…!それにしても無職オペラを観る、贅沢の極みかよ

その3:新幹線の予約をしよう

遠方民、新幹線で東京まで行かねばならぬ。今回も大活躍のJR東海ツアーズずらし旅。2024年3月現在、2024/3/31分まで、日帰りだと東京/横浜/名古屋/京都/大阪を対象として発売があります。日帰り旅の予定ある人で知らない人は参考にしてもろて。

東京-名古屋間、のぞみ往復で16,300円でした(日により金額変動あり)。新幹線自由席片道10,560円、ぷらっとこだまが片道8,810円であることを鑑みても明らかに最安値。更にずらし旅クーポンがついてきて1つサービスを受けられます(今回は時間がなくて利用してませんが)。デメリットとしては、予約できる便が限られること、一度予約したら時間変更はできないこと、紙のチケットを受け取って当日使わねばならないことなど。色んな事情があるかと思いますので、金が無いけど時間は守れるし忘れ物はしないぜ!って人には激オススメ。紙なんかかったるいぜ…の人はEX予約等、使っていこう!最近はEXこだわりツアーのずらし旅も誕生していてこちらは若干高いけどほぼ同じで、恐らく4月以降はこちらに統合されるぽい。紙がいらなくなるのはありがたいが〜!

 

余談が長くなってしまったよ。

また菅原さんがオペラ公演出演される際には、観に行きたいなぁと思っています。知らない世界を知れるのは楽しい!

 

終わり